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2014.01.06

世界選手権予選を振り返って

日本代表ヘッドコーチ 及川晋平
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2012年のロンドンパラリンピック以降、初めての海外挑戦となった今回の世界選手権予選。世界選手権出場の切符を獲得することは絶対条件。「もし負けてしまったら」ということを考えると夜も眠れない日々が続いた。日本はロンドンパラから7名を入れ替え、新生JAPANを作った。相手はロンドン銀メダルのオーストラリア、2008年北京パラで対戦し20点差で負けたイラン、2011年のパラ予選で1点差で逃げ切った韓国、2010年のアジアパラでは3点差で一度負けている中国。今までとは違いアジアオセアニアゾーンを簡単に通過できる時代ではないことは明白だった。そして初戦イラン、2戦目が中国という組合せも大きなプレッシャーだった。

初戦のイラン戦は71―72の1点差で負け。客観的に見れば内容は非常によく良いスタートを切ったと言えるが、個人的には正直悔しくてたまらなかった。北京パラの大会の途中で試合をボイコットし、4年間の海外試合出場停止の制裁。それが解けて今回出場してきたイラン。「ここは絶対に負けてはいけない、簡単に勝たせるわけにはいかない!」なんだかそういう気持ちが強かった。文化や習慣、考え方が違うからこそ、守らなければいけないルールがやっぱりある、そのルールを守らないと滅茶苦茶だ。罰を受けたから帳消し、というわけではない。そう思ってならなかったから気持ちが高ぶった。しかし負けた。それがとても悔しい。

そして翌朝の中国戦。この試合に勝たなければ世界選手権出場の確率が一気に下がる。この試合が出場権をかけた大一番! 中国は2010年アジパラ以来、試合を見たことさえなかった。不気味であり、対策も作れない。まずは日本のバスケットをやる、その中で戦略、戦術を考え、アジャストする。それが作戦。緊張したスタートを切ったが試合は終始日本ペースで進んだ。中国のエースがファールトラブルになり、そこで試合が決まった。心の底からホッとした。

その後、台湾、マレーシアと連勝し、決勝トーナメントに入り準々決勝のタイに勝利。チームは初戦から予想以上にいいムードで「これならいまのオーストラリアに勝てる!」と思わせてくれた。

予選直前の北九州大会でオーストラリアに対して前半を18-6でリードしながら、ひっくり返された試合をしっかり分析して臨む。試合は序盤から日本のいいシーンの連続でかみ合った。28―33と5点差リードされ前半終了。北九州大会と違い香西のファールトラブルもなく、前半でベンチも含めて選手全員を起用し後半に備えた。第3Qは一時離されるも、Qの終わりにまた追いついた。そして迎えた最終Q。序盤で香西の3ポイントを含めた3連続ショットが決まり逆転! こちらのペースに入るかと思いきや再逆転されてしまう。そして次の簡単なレイアップショットを日本が外してしまったのをきっかけに一気にオーストラリアに流れが行ってしまった。ほんの一瞬の出来事で今まで積み上げてきたものが一気に崩された感じだった。それまでに多くのミスがあったことは事実だが、それが最後のきっかけとなった。試合の流れというものが確かにある。60―74。ロンドン銀メダルチームをここまで追い詰めたチームの実力は確実についてきていると感じた。

3位決定戦の相手は再度イラン。予選リーグで敗退した相手だ。大会で銅メダルを取るには、100%で戦った準決勝の後の試合でさらに力を使わなければいけない。そのタフネスが求められた。しかし、オーストラリア戦をピークに調整したチームに、戦うだけの十分なエネルギーが残っていなかったのが事実。イラン戦は最初からリードを許し、53―80と一方的な試合になってしまった。

世界と戦うために必要な力。
それをまざまざと見せつけられた。

勝つための十分な力はあるかもしれないが、
勝ち続けるための十分な力はない。

それが現状だ。

結果は4位で今年7月の世界選手権の出場決定!

一歩前進はした。
7月に望みを繋いだ。

継続あるのみ!

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世界選手権は今年7月、韓国・仁川で開催される。シンペーJAPANの活躍に期待!

写真=Jキャンプ:伊藤

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